第五期 第10回京都クオリア塾 / 令和2年3月21日
第5期京都クオリア塾の最終回は、恒例となった堀場製作所会長兼グループCEOの堀場厚氏のスピーチです。 大学卒業後に渡米した堀場氏は、「日本ではこうあるべきとかこうすべきとか言うが、アメリカではやることをやれば評価してくれる国」であり、「フロントラインと現場以外に真実がない」を学んだ。大変なプレッシャーだったが、あの経験が今に生きている、と語った。そして日本人は社会、権力が悪いとして「自己責任」がない、答えのない答えを出すのが本当のリーダーシップであり、トップの命令を忠実に行う企業はフロントの話が上がらず、つぶれるか縮小していく。指示を出すのは誰なんだろう?と語りかけます。
新製品の開発もヒットするのは1割から2割で、5割は投資倒れ、ましてや思いつきのベンチャーの成功は1%から3%の確率だ。教科書通りの教育しかしてこなかった日本ではベンチャースピリットは生まれない。スーパーマンは世の中にいないのであって、遊び心と趣味、そして違う価値観を持つ人間との交流は不可欠だ。一生懸命取り組んでいたら、ある時に成果が出るのであって、評論家にならずプレイヤーになってほしい、知識ではなく思いであり、緊張感をもって一流になってほしい、と呼びかけられました。
最終回は、これまでにスピーチを担当していただいた京都大学の岡田暁生教授と山口栄一教授、京都女子大学の前崎信也准教授、そしてOBも参加し、次の時代をつくる大学教育や新たな社会システムなどについて活発な意見交換が行われました。