第六期 第5回京都クオリア塾 令和2年11月21日
「太陽の脅威と文明の未来」
柴田
一成(京都大学名誉教授 前花山天文台台長)
太陽研究の第一人者、柴田京大名誉教授を迎えての第5回。記憶にも新しいカナダ・ケベック州の大停電は、数年に一度の大フレアによる磁気嵐が原因で発生したもの、爆発だらけの太陽は、無線通信への障害などIT化した文明社会に多大な影響を与える、と警告します。 そして、恐竜の絶滅も超巨大フレアが原因だったかも、と語りながら、100年から200年に1回発生するスーパーフレアが起きたら、全人工衛星の故障やオゾン層破壊、地球規模での大停電が起こる可能性があると警鐘を鳴らします。
また太陽の黒点が少ない時期は、地球の寒冷期となり、今は100年に一度の極小期。地球はこれから寒冷期に向かうのではないか、と話されました。
そして地球上の地球上の生命はスーパーフレアを糧にして生き延びてきたのかもしれない、しかしスーパーフレアの文明社会への影響はほとんど知られておらず、観測と併せて宇宙天気予報の早期実現が求められる、と強調されました。
この後、アマチュア天文家の聖地として知られる花山天文台を、存続のために東奔西走している柴田前台長の案内で見学、望遠鏡で太陽を観察するなど、宇宙への夢を広げる機会をいただきました。